2016年10月27日

『治天の君』劇団チョコレートケーキ

161027治天の君.jpg2016.10.27(金)19:00〜(2時間20分)
@シアタートラム
¥3,300(前半割)

3年前の初演時に随分と評判になった演目で、観てみたかったので今回の再演はうれしい。
チョコレートケーキは大内厚雄くんが客演した『追憶のアリラン』が初見で、今回で二回目。どちらも静かだけど熱い。重厚で役者陣も盤石、見ごたえがあった。

まだ公演中なので一応おことわりしておきますが、この先ネタバレしています。ご注意あれ。

『治天の君』は大正天皇の半生を描いたものだけど、はてそういえば、かのお方についてはほとんど何も知らないのだということに気づいた。浅学なアタシには、病弱だったというくらいしか。
そしてこの舞台を見て初めて11月3日(文化の日)が明治節だったのだと知る。4月29日(昭和の日)も祝日だけど、大正天皇の誕生日である8月31日は祝日じゃあないのよね・・・。在位期間も短かったけど、それ以上に影が薄いのは、そういうことだったらしい。

「天皇とはなんだ?」
威厳に満ちた“現人神”であるべきだという、そしてそれを体現した明治天皇。それを継承した昭和天皇との狭間で、開かれた皇室を、民に親しまれる天皇でありたいと望んだ大正天皇。若くてまだ健康であったころの嘉仁さんの、なんとかわいらしいこと。やさしくて朗らかで誠実で。なんと、側室を持たない初の天皇なんだって! ご自身も、皇后の節子さんも側室の子だそう。あたたかい家庭にしたかったんだろうなあ。
もちろんお芝居はフィクションなんだけど、事実(史実?)は踏襲しているわけだからして、つい全部本気にしてしまいそうになる。

狂言回しである皇后・節子役の松本紀保さんは初見。物腰というか、たたずまいというか、堂にいっていたなあ。やわらかなのに威厳もあってとてもよかった。
役者さんについて言いだすと、どの方も素晴らしかったのできりがないんだけど(笑)明治天皇の憎々しいまでの厳つさ、嘉仁が兄とも父とも頼む(有栖川宮)威仁さん、先帝陛下の思い出を節子と語る侍従武官の四竈さん、とかとか。
そして大正天皇嘉仁。チャーミングだった。即位したてのころ、玉座に慣れず床にぺたりと座って車座で話そうと言いだすところとか。皇后に、仲の良い夫婦になろうと言うところとか。
そして病を得てからも、必死に宿命を果たそうともがく姿。四肢の自由が利かず、節子に支えられて何とか歩く姿。倒れるシーンでは全く手や膝をつかないまま卒倒し、周囲から息を飲む気配が。ああ、つい目頭が熱く・・・。

生前退位とか摂政とか、初演の時にはないリアルさを持っているんじゃないかな。
うーん。なんだかもっと書きたかったこと、思ったこと感じたことがあるけれど、うまく言葉にできなくてもどかしいわ。
重いし、堅いけど、でも面白いってすごいよね。
国内数カ所と、何とロシアでも公演したそう。ロシアではどんな人が観てどんな感想を持ったのか、聞いてみたいなあ。
東京公演は11月6日まで。

劇団チョコレートケーキ http://www.geki-choco.com


4022618272大正天皇 (朝日文庫)
原 武史
朝日新聞出版 2015-04-07

by G-Tools

今度これ↑読んでみよう。


posted by 深月 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 芝居 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/443303781
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック